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移住者インタビュー前田 久美子さん

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移住者インタビュー前田 久美子さん

移住をしようと思ったきっかけは何ですか。

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前田:移住する前に、主人が体調を崩して仕事をやめることになりました。子どもも生まれて間もなかったので、環境のいいところに住むなら今かなと考えて、引っ越し先を調べ始めました。島暮らしに憧れもあったので、どうせなら島にいってみようと思ったのがきっかけです。

—— 男木島にしたのはなぜですか。

前田:正直、名前も知らなかった島です。でもインターネットで瀬戸内の島をいろいろ調べたときに、男木島につく船からみた島の風景とか、町並みとか、路地と石段の風景があり、それが気に入って、「ここにしようか」と思いました。一度も行ったことがないのに男木島のコミュニティセンターに「家ないですか」って連絡して、紹介してもらった家を見せてもらいに来た時が、初めての来島でした。その時に見せてもらったのがこの家で、気に入ったのでその日のうちに「ここに住みます!」って決めて帰りました(笑)。

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—— 最初に連絡したのがコミュニティセンターですか?

前田:ほかに聞くところもなかったし、知り合いもいなかったので、ここに聞いたら間違いないのかなと思いました。

—— 最初、ご主人の反応はどうでしたか。

前田:男木島に住みたいというのは私が勝手に決めたことなので、主人に話をしたら「え、島に住むの?」と、さすがにビックリしていました。でも主人がすごく猫好きなので「島はめちゃくちゃ猫おるよ」って写真見せてあげたら「すぐ引っ越そう!」と乗り気になってくれました。ええ、猫で釣りました。

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—— おふたりの出身はどこですか。

前田:私は愛媛県の四国中央市です。新宮よりの旧川之江の山奥に住んでいたので、こんな海の近くに住むのは初めてです。主人は香川県丸亀市の出身なんですけど、20才くらいまでで、その後15年くらい大阪に住んでいたので、香川のこと、ましてや高松市のことはあまり詳しくありません。

移住にあたって移住サイトを参考にしましたか。

前田:けっこう見たと思うんですけど、空き家バンクに登録されてる家がなくて、参考になる情報も少なかったと思います。結局、自分で調べて解決していきました。

—— どんな情報が参考になりましたか。

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前田:男木島に住んでいる人のツイッターとかフェイスブック、あと島の民宿に泊まったことがある人のブログやフェイスブック。そんな実際の体験談がすごく参考になりました。

—— 移住先として他の島も検討しましたか

前田:かなり検討しました。小豆島や豊島などの大きな島、あとは愛媛が地元なのでしまなみ海道の島も。いろんな島のことをインターネットで調べました。男木島は高松から近いから買い物がめちゃ大変ということはないだろうし、愛媛との移動も不便じゃないから、親も来やすいと思いました。そして風景もいいので男木島に決めました。

—— 移住する前に、島の移住者と話をしましたか。

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前田:島に住むことを決めてから島に何回か遊びに来て、灯台に行ってみたり、いろんなところを見たりして、どんな島なのか調べました。その時に現在は図書館を運営している福井さん夫妻と知り合って、いろいろな話を聞きました。その時はまだ無かった保育園の話が出て「保育園ができるように運動しているので協力してもらっていいですか」と頼まれたり。こちらこそ是非!とお願いしました。思い起こせばけっこう交流していました。

男木島はどんなところがおすすめできますか。

前田:結果的に一番おすすめできるのは人なんです。みんなあったかいし、私たちにも子どもにもよくしてくれます。あと町並みがよくて、自然も環境もよくて、食べものがおいしいです。住んでみると、意外に不便を感じていません。

——買い物や病院にも不便を感じませんか。

前田:買い物はぜんぜん困りません。私たちは島で洋食のビストロをやっているので、家のものと店のものを買い出しに行きますが、週に1回の買い出しでほぼやっていけます。あとはネットの買い物ですね。宅配便でちゃんと島まで届きます。病院については、大人は診療所で充分ですけど、子どもの急な病気で小児科に行くときは大変かな。

島の人たちとは、どうやってつながりましたか。

前田:引っ越す前、島に遊びに来ていた時に「店をやろうかな」なんて話をしていたので、「今度、フランス料理の人が引っ越してくる」という噂が島の人に伝わっていたらしいです。引っ越してきた後、出会った人に「引っ越してきた前田です」と挨拶したら「ああ、フランス料理の人!」みたいに言われて、知らない人がいないくらいでした(笑)。島には小さい子どもが少ないので、子どもを大事にしてくれて「かわいい子が引っ越してきたね」って会話が弾みます。もう今では散歩するとみんなと話をして家に帰れなくなるほどです。農協の前を通ったら子どものお菓子を買ってもらったり、畑をしているおばちゃんの前を通ったら「こっちこい」って言われて野菜もらったり。子どもも私も大事にしてもらっています。お菓子を作って持って行ったりはしていますけど、なかなか恩返しできませんね。

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—— 移住前に不安だったことはありますか。

前田:島に子どもが少ないので、うちの子に友だちができるかどうかが心配でした。ひとりぼっちだったらどうしようか、子どもにとっての幸せはどうなんだろうとは考えました。けど、最終的には「どうしてもダメだったらまた引っ越せばいい!」と開き直りました。実際に住んでみると寂しいことはなくて、子どもは少なくてもじいちゃんばあちゃんがたくさんいて、子どもにかまってくれて、ほかで住むより恵まれているかもしれません。この先も寂しいことはないかな、と思っています。

—— 今、不安なことはありますか?

前田:自分たちの店が長く続いたらいいなということですかね。お客さんがたくさんきてくれて、家族がずっとここで生活できればいいなと思います。子どもは5月から保育園に入れるようになるので、そうなれば私も店を手伝おうと思っています。

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—— 振り返って見て、移住で失敗したと思うことはありますか。

前田:失敗というほどではありませんが、家探しのことですね。最初に「どこか借りられる家ありますか」ってコミュニティセンターに聞いたんですが、男木島は空き家は多くても、すぐに住める家が少ないんですよね。古くて改修が必要だったり、今の持ち主がわからなかったり。私が探した時に貸してもらえる家は、実はここしかなかったんです。だからここに引っ越したんですけど、「買える家はありますか」とか「手直ししたら住める家はありますか」と聞けば選択肢が広がったと思います。そこは少し後悔しているかな。都会で暮らしていると、家は借りるものと思いがちですが、ずっと暮らそうと思うなら「買う」ということも頭に入れて家を探せばいいと思います。

なぜ島でビストロをしようと思ったんですか。

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前田:移住前から、島に住むからには島内で仕事をしようと決めていました。でも島の中に仕事はほとんどないので、自分たちで何かを始めないといけませんでした。「ビストロをしよう」と決めたのは、男木島に遊びに来るようになってからですね。主人が長年洋食のシェフをしていたので、その腕を活かそうというのはありました。でも本格的なフレンチだと島外の人は食べてくれても、島の人は食べに来てくれないと思ったんです。1年に1回でもいいから、島の人に食べに来てもらえる場所にしたいと思って、気軽に食べられるビストロにしました。

—— 店では島の食材を使っているんですよね。

前田:調味料や乳製品、玉子など以外は、基本的に島の食材を使っています。野菜は近所の人や自分が作っているもの、魚は漁師さんがとってきたものです。島の物がおいしいというのはもちろんですが、料理を通じて男木島のことを知ってもらいたいという思いもあって、島の食材を中心にしています。

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これからやってみたいことは何ですか。

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前田:実際にできるかどうかわかりませんよ。でもやってみたいことはいろいろあります。島では夜、食べられる店がないんですよね。午後5時発の船の最終時間にあわせて営業しているので。うちも宿泊する人からの予約でディナーはやっていますが、基本的に夜はやっていません。だから、島の人のための夜の飲食店をやりたいですね。私は居酒屋で働いていた経験があるので、子どもがもう少し大きくなれば、平日の夜、居酒屋的な場所を提供したいと思っています。おっちゃんが飲みに来たり、おばちゃんがご飯食べに来たり。そんな場所がつくれればいいですね。ほかにも、やはり島にない店ですね。例えばパン屋さんとか。うちでも食パンを受注生産していますが、ちゃんとパンを並べて売るパン屋さんを週に何日かだけでもやりたいですね。あれもしたいな、これもしたいというのはいろいろありますが、島外の人じゃなくて、とにかく島の人が喜んでくれることをやりたいです。私ができることは食べものに関すことになりますが、自分たちができることで島に恩返しできたらいいですね。

最後に、男木島に移住したい人にメッセージをお願いします。

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前田:私たちは何も知らない状態でぽんと島に来ましたが、よそ者扱いされることもなく溶け込めています。何も心配しなくていいと思います。コンビニがないとか、不便に思うこともありますが、それは1ヶ月も暮らせば不思議と感じなくなります。移住を考えているなら、ぜひ島に遊びに来て風景を見たり、いろんな人と話したり、島の物を食べたりしてほしいです。相談にのってくれる人はたくさんいます。気軽に遊びに来て、気軽に移住してください。うちには小さい子どもがいるので、その友だちが来てくれるとうれしいです。

—— 本日は、ありがとうございました。

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